法学部を選んだわけ。
法学部の先。
法学部を卒業するあなた、
何のため、そして何を目指して法学部に進学されたのでしょうか。
弁護士や裁判官などを目指して、司法試験受験を考えていた?
それとも、研究者を目指していた?
実は、「特に考えていなかった」、「深く考えていなかった」という方も多いのではないでしょうか。
例えば、入学後に目標が変わったり、自分の能力に限界を感じたりした結果、目標が変わった場合を除けば、法曹界を目指して法学部に入学した皆さんの多くは、学部卒業後も法科大学院に進学するなどして、司法試験の合格を目指して引き続き努力されていくのでしょう。
また、研究者を目指す多くの方は、必要な大学院などに進学して、学部の卒業時には、就職しないという選択をするのだと思います。
もちろん、法科大学院を出なくても法曹界を狙うことはできますので、法科大学院には進学せずに、司法試験の合格を目指すといった選択をすることも可能でしょう。
でも、実際には、「法学部は文科系では就職に有利そうだから」とか、「目標が特になかったから何となく選択した」という方も結構多いのではないでしょうか。
就活で法務専門職を目指してみる。
「企業法務」と言われても、ほとんどの人にはイメージもわかないでしょうし、法学部の皆さんにとってもそれは当然のことでしょう。
株式会社日本取引所グループのウェブサイトによると、東京証券取引所市場第1部の上場会社数は2184社(2020年12月17日現在)となっています。
例えば、法務部などの専門部署があるか否かにかかわらず、企業の内部には法務担当者またはそれに類する社員が少なくとも1名は要ると仮定すると、市場第1部上場会社だけでも2000人を超える企業法務の担当者が活躍している可能性があるのです。
弁護士の資格を持っているか、少なくとも司法試験に合格をしていないと法務の専門職としては採用されないのでは、と考える方も多いでしょう。
もちろん資格を持っていれば、より強くアピールすることが可能かもしれません。
また、採用する企業側としても、数回に渡る採用面接時に、学生の適性や能力などを見極める必要がありますので、企業法務や法務の専門職に詳しい社員ばかりに面接官を担当させるわけにはいきません。
それに、たった数回の面接で法務の専門職としての適性を見極めることは難しいこともあるでしょう。
さらに、採用に関して最終的な決定権を持っている社員や役員が必ずしも企業法務に詳しいわけではありませんので、確率を考えれば、採用の際に資格保持者のほうが外れる(失敗する)リスクが少ないと考えるのは企業として当然のことでしょう。
では、企業の法務部門における弁護士資格保持者の状況はどうなっているのでしょうか。
企業内弁護士の状況は。
1990年あたりまで、司法試験合格者数が500人ほどであったものが、新司法試験制度が導入された2006年以降においては、毎年2000人を超える司法試験合格者が生まれています。
そして、2019年の合格者数は1502人(合格率33.6%)となっています。
当然ながら、司法試験合格者の数が増加すれば、それにともなって裁判官や弁護士といった法曹界での採用数が増加すれば問題はなかったはずですが・・・
日本組織内弁護士協会による2020年のデータでは、企業内弁護士数は2600人を超えており、企業別在籍者の1位である企業には40名近い企業内弁護士が在籍しているようです。
また、同協会のデータによると、外資系企業や就職ランキングのトップ10にランキングされているような大企業においては、すでに多くの企業内弁護士が活躍しているのがわかります。
司法試験に合格していないと法務には配属されないのでしょうか?
企業によって法務の専門職としての人材に対する考え方は異なります。
正確なことは言えませんが、単純に人数だけで考えてみてもわかるとおり、毎年司法試験合格者のすべてが企業内弁護士として就職しているわけではないことは、当然ながらおわかりいただけると思います。
また、前述したとおり、市場第1部の企業だけでも2000社を超えるのですから、企業の数から考えてもまだまだ資格を持たない法学部生にも活躍の場はあるはずです。
経営層や法務部門の責任者が企業法務をきちんと理解している企業であるならば、司法試験に合格していないことを理由に、法務の専門職として採用しないなどと考えることはないと思いますし、そのように信じたいものです。
また、実際に、法学部を卒業していなくても法曹界で活躍している方がたくさんいらっしゃいます。
同様に、企業には、法学部出身ではない優秀な法務の専門職の方もたくさん活躍しています。
少なくとも、「法学部で学んできた」、と採用面接時に自信を持って答えられるのであれば、弁護士資格の有無にかかわらず、キャリア選択肢のひとつとして、法務の専門職を考えてみても良いのではないでしょうか。
